1. HOME
  2. ブログ
  3. 不動産ESGリポート
  4. 第10回 日管協、初の賃貸管理会社向け『防災マニュアル』が完成!

column

コラム

不動産ESGリポート

第10回 日管協、初の賃貸管理会社向け『防災マニュアル』が完成!

防災マニュアル

かつての大震災の教訓は活かせるか、当社代表が取りまとめる

(公財)日本賃貸住宅管理協会(通称:日管協)東京都支部は今年10月、賃貸管理会社向けの実用書『防災マニュアル~「過去の大震災に向き合った」賃貸住宅管理業者の情報と行動~』(以下「本書」)を初めて作成しました。

イチイグループ代表の荻野が当支部の副支部長(編纂委員長)として本書の作成を提案し、取りまとめたもの。
災害発生前の事前準備から発生直後、その後の復興期に至るまで、それぞれの時期に管理会社が行うべきことを詳細かつ明確に示したところが特徴です(全234ページ)。

本書では管理会社のみならず、不動産オーナーが災害時でも資産を守り、事業を継続するために備えておくべきこと(保険の活用、他)を解説し、オーナーにとっても有益な情報を盛り込んでいます。

人の命を預る管理会社は何をすべきか

日管協・東京都支部は20年12月、東京都との間で「震災時における民間賃貸住宅の提供に関する協定」を締結しました。

この協定は災害で住宅を失った被災者(都民)に対し、借り上げ型(賃貸)の仮設住宅を速やかに提供するため、官民の協力体制をつくることが目的です。

今回の事業者向けマニュアルは賃貸管理業界が災害発生時、行政との連携を確実に行っていくうえで不可欠なものとなります。

本書の作成を責任者として統括した当社代表の荻野は、こう話しています。
「地震のほか、豪雨など災害が多発している今、管理会社は人(入居者)の命を預かっているという意識を忘れてはいけないと思います」

首都直下地震などの発生が懸念されるなか、平時から災害に備えておくことの重要性を業界の内外で語ってきました。

発生前から復興期まで対応策示す

では、本書の内容の一部をご紹介します。

【本書の構成】
第1部 事前の準備 
第2部 災害発生直後 
第3部 災害発生から1週間 
第4部 災害発生から2週間 
第5部 災害発生から1カ年
第6部 復興期に向けて

特に重要な「災害発生直後」の局面では管理会社に次の対応を求めています。

〈第2部 災害発生直後〉
⑴大規模震災発生後の避難 
⑵従業員の安否確認 
⑶店舗事務所内の被害確認 
⑷社内体制の整備と対応方針の決定 
⑸クレームの電話応対と対処方法 
⑹交通・通信手段の確保と対応策 
⑺入居者・家主の安否確認 
⑻管理物件の被害状況の確認

大震災の日、管理会社はどう行動したのか

本書の見どころは、阪神淡路や東日本、熊本などの大震災で被災した全国の管理会社の体験記(教訓など)が数多く盛り込まれていることです。

それぞれの震災では火災や津波、建物倒壊など被災の状況が異なり、二次災害の内容も違うため、さまざまな備えが必要なことが理解できます。

■A社『最も優先したのは入居者の安否確認と二次被害を防ぐことでした。戸別訪問と電話で状況を確認し、公設の避難所への避難を誘導。合わせて、建物への立ち入りを制限する内容の張り紙を作り、はって回りました』

■B社『倒壊の恐れのある建物の入居者には、住み替えられる物件を紹介。数に限りはあったものの、1週間ほどで入居していただけました。一般の部屋探しの方よりも優先して紹介した結果です』

イチイグループでは今後も新たな防災マニュアルをもとに、災害に備える社内体制の整備などを進めてまいります。

関連記事