写真:自立から要介護5まで幅広く受け入れるサ高住「グレイプス用賀」(東京都世田谷区)

「軽度のみ」「重度のみ」、入居条件の要介護度にばらつき

「サービス付き高齢者向け住宅」(通称:サ高住)のイメージがつかめない3つ目の理由は、入居者の心身の状態がさまざまなことでしょう。

野村総研の調べによると、サ高住では自立から要介護2までの軽度要介護者の割合が64.7%で、有料老人ホームの54.0%を上回っています(サ高住の方が自立と軽度要介護者が約10%多い)。

その一方で、認知症判定基準Ⅱ以上である「日常生活に支障をきたす症状・行動等が多少見られる」という軽度の認知症の入居者も、サ高住では全体の40%にも上るのが実態です。
このように「入居者の幅の広さ」も、サ高住の分かりにくさの一つと言えます。

以上3つの理由から見えてくる、サ高住の「現実の姿」とは何でしょうか。

サ高住は前述のような多様性から、たとえば入居の条件が要介護度2以下であったり、逆に要介護度3以上でないと入居できなかったりと、入居の要件にばらつきが見られます。

サ高住としてひとくくりにできないことに注意が必要です。

次回は、サ高住に備わる「住宅設備」が物件によって異なる問題について考えてみます。

〈つづく〉