第41話 なぜ不本意な介護施設に入居せざるを得なかったのですか

元気なときに探し始めるのが上手な住まい選びのコツ
(前回よりつづく)
今回は、不本意な介護施設に入居せざるを得なかった相談者の事例について紹介します。
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都内の戸建てで一人暮らしの女性Nさん(89歳)は自宅で転倒し、大腿骨を骨折する大けがを負ってしまいました。
リハビリを終えた5ヵ月後、ようやく退院できるというとき、主治医からこう告げられたといいます。
「今の身体状況では、自宅に戻って一人で生活を続けるのは難しいですね」。
そこで、Nさんの住み替え先を子どもたちが大急ぎで探すことになりました。
家賃など生活費の予算は毎月20万円前後。何よりもNさんからは、地元の東京都内で探して欲しいという強い要望があったのです。
しかし、入居金数千万の介護施設はすぐに入れますが、予算に見合うところはどこも空いていません。
やむなく埼玉県内の施設へ入居。いろいろなことを妥協せざるを得ませんでした。
もう少し時間に余裕があれば、希望する施設が見つかったことでしょう。
「もっと早く動いておくべきだった」子どもさんもそう後悔されていました。
早く動けば、老後はきっと楽しく過ごせる
住み替え先は元気なときに探し始めることが大切なポイント。
余裕をもって動いた方のほとんどは、結果に満足されています。
「老後の住まいはどのタイミングで、どのような選択をすべきか」とても大事なテーマです。
早いうちから考え始めれば、老後はきっと楽しく過ごすことができると思います。
<つづく>