早期住み替え派は不安な思い強く、将来に備えて決断

前回のコラムでは、住み替えのタイミングについて、70代半ばくらいから考え始めるとお話しました。

第22話 早めに住み替えている60~70代はどんな住まいを選ぶの?

今回は、早めに住み替えているのは、どのような方が比較的に多いのか?何を目的に住み替えの決断をしたのかをお送りします。

早めに住み替えるご高齢者の特徴

早めに住み替える高齢者の特徴

老後をより豊かに過ごすために、早めに住み替えを検討するご高齢者が増えています。高齢者の特徴は、将来に向けた備えと前向きな姿勢です。自身の健康状態やライフスタイルを知り、より快適な生活環境を求めていることが特徴です。

  • 自立して生活できる元気な方
  • 子どもがいない方(将来の介護に備え、先々のアンテナを張っている方)
  • 残りの人生をできる限り健康でいたい方(介護施設に入りたくない方)
  • 食堂(食事サービス)を目当てに入居する自立者の方

最後の「食堂付き」については、「自炊が大変」という一人暮らしの男性から好まれますが、実は意外にもニーズが高いのが一人暮しの女性です。

なぜ一人暮らしの女性にニーズが高いかというと、「家族のために長年料理を作ってきたけれど、もう自分だけのためには作りたくない」という声をよくお聞きします。

早めの住み替えで注意が必要な事例

住み替えの注意点

早めの住み替えは、老後の生活をより充実させる重要な選択ですが、注意が必要な事例もあります。また、家族とのコミュニケーションも大切です。 家族の意見を取り入れることで、理想的な住環境が見えてくる可能性が見えてきます。

そこで、早めに住み替える場合に気をつけるべき事例をご紹介します。

都内で自立して生活されていた一人暮らしのGさん(66歳男性)。安心安全な暮らしを求めて、介護付有料老人ホームへ入居しました。
「これでひと安心です。もう掃除や料理をしないでいいし、楽になりました」
とGさん。あまり外出はされず、部屋の中でボーとして過ごすことが多かったようです。

そして入居1年後、お医者さんから「脳の収縮があり、認知症の初期症状が見られます」と診断されました。老人ホームに若い年齢で入居したこと自体は間違いではないと考えますが、必要以上のサービスを受けると、老いが早くなってしまうようです。

それだけに、高齢になっても身体的にできることはやり続けていただければ(但し無理はせずに)、健康寿命を延ばせるのではないかと思います。