住み替え先は元気なときに探し始めておくことがコツ

(前回よりつづく)

都内の戸建てで一人暮らしの女性Nさん(89歳)は自宅で転倒し、大腿骨を骨折する大けがを負ってしまいました。
リハビリを終えた5ヵ月後、ようやく退院できるというとき、主治医からこう告げられたといいます。

「今の身体の状況では、自宅に戻って一人で生活を続けるのは難しいですね」

そこで、Nさんの住み替え先を子どもたちが大急ぎで探すことになりました。
家賃を含む生活費の予算は毎月20万円前後。何よりもNさんからは、地元の東京都内で探して欲しいという強い要望があったのです。

しかし、入居金数千万の介護施設はすぐに入れますが、予算に見合うところはどこも空いていません。
やむなく埼玉県内の奥にある遠くの施設へ入居。いろいろなことを妥協せざるを得ませんでした。
もう少し時間に余裕があれば、希望する施設が見つかったことでしょう。
「もっと早く動いておくべきだった」子どもさんもそう後悔されていました。

住み替えは元気なうちに

自宅でギリギリまで住み続けるのは当然いいことなのですが、住み替え先は元気なときに探し始めておくことがポイントです。
余裕をもって動いた方のほとんどは、結果に満足されています。
「老後の住まいはどのタイミングで、どのような選択をすべきか」。何よりも大切なテーマです。
早いうちから考え始めれば、老後はきっと楽しく過ごせることと思います。

<つづく>