子が親の思いを尊重、ビデオ通話で親とマメに連絡をとる

(前回よりつづく)第18話 途方に暮れる子世代、介護が必要な親の住まいはどうする?

ご相談者の娘のMさん(57歳)は家庭をもっているため、次のように望んでいらっしゃいました。

「母(87歳)の介護度がもっと進んでしまい、何かあったとき、すぐに秩父まで駆けつけるのはとても大変。できれば私の家の近くで暮らしてほしいんです」

そこで、Mさんの住む横浜市への転居を考え、市内のさまざまな“高齢者向け賃貸住宅”を数日かけて見学して回りました。
その結果、最終的にお母さまとMさんが決めたのは、秩父の今の自宅で引き続き生活することだったのです。
但し、お母さまの安心・安全を考えて、自宅のバリアフリー改修を行ったほか、緊急通報装置を設置。
また、アイパッド(iPad)とウェブ(Web)カメラを購入し、ビデオ通話を通して親と子がマメに連絡をとることにしました。

お母さまの介護度が要支援1で、幸いにもまだ軽いことから、今回はギリギリまで自宅で住み続けるという決断をしたわけです。

住まいの決め方

これはMさんがお母さまの気持ちを尊重した結果でしたが、私たちは親と子のどちらの選択肢も正解だったと思っています。
一人ひとりの生き方や家族の状況などに合わせて住まいを決めることが最も望ましい、と考えているからです。親の介護が必要になったけれど、これからの親の住まいはどうすればいいのかー。

その答えは、これまでお伝えしてきましたようにいく通りもあるのです。

<つづく>