第10話 要介護3の不安な一人暮らし、広すぎる自宅にも悩む

自分らしい老後の暮らし方が選択できる時代
(前回よりつづく)
私たちはご相談者からこんな声をお聞きすることが少なくありません。
「介護が必要になったら、老人ホームに入らなければならないですね」
いえいえ、そんなことはございません。ひと昔前と違い、今はさまざまな住まいや施設がありますから、ご自身に合った住み替え先を選ぶことができるのです。
「自分らしい老後の暮らし方が選択できる時代」であり、本当にいい環境が整ってきたと思います。
それでは、ご相談者の具体的な事例を紹介しましょう。
都内在住87歳の女性の場合
都内の戸建てにひとりで暮らす女性のMさん(87歳)から、このようなご相談がありました。
Mさん「要介護3の認定を受けてから、不安な毎日を送っています。 広すぎる家や庭などの管理はひとりでできませんし、外出するときは手押し車がないと歩けなくなりました。 道路のちょっとした段差もまたぐのが怖いですね。 できるだけ近くで、安心して暮らせる住まいはありませんか」
イチイ「都内には今、介護サービスの充実した高齢者向けの施設が数多く供給されていますので、心配なさらないでください。まずは介護付有料老人ホームをご一緒に見学してみましょうか。自宅よりも安心・安全に過ごすことができますから」
ところが、介護付有料老人ホームの見学を終えると、Mさんはとてもガッカリした表情でした。何が不満だったのでしょうか。
<つづく>