(前回よりつづく)
第8話 コロナ禍で面会禁止の介護施設、入居者の孤立招く?

やむなく転居先を探す難聴の高齢者も

今回は、都内の有料老人ホームに入居している女性(85歳)のケースをご紹介します。娘さんからこのようなご相談がありました。自身の母親について想いを馳せる娘、そんな姿が目に浮かんできます。

母への想い

次は都内の有料老人ホームに入居している女性(85歳)のケースですが、娘さんからこんなご相談がありました。

「母は難聴で耳がよく聞こえません。そのため電話やビデオ通話が使えないので、これまで文通によってお互いの気持ちを交わしてきました。
ところが、唯一の手段だった文通も、入居者との受け渡し時の接触をなくすという理由で、禁止されてしまったんです。いつになったら母と再会できるのか、先が見えないことがつらいです」

耳を患っているだけに、住み慣れた今の施設で引き続き生活したいが、やむなく別の介護施設を探している、と娘さんは話していました。

自立型高齢者向け賃貸住宅へのススメ

このような場合、ご相談者が比較的お元気な方であれば、私たちは外出や面会などを制限しない「自立型の高齢者向け賃貸住宅」への住み替えをお勧めしています。

「しかし、高齢者向け住宅はルールのしばりがない代わりに、感染のリスクが高いのではないですか?」

そう心配される方には、次のようにお伝えしています。

ご紹介する自立型の高齢者向け賃貸ではマスクの着用、館内の消毒、食堂で間隔をあけて座るといった感染予防対策はしっかりと行われ、一般よりも高いレベルで実施されています。

今は何よりもコロナ禍が一日も早く収束し、ご高齢の皆様が日常の生活に戻れることを願ってやみません。

<つづく>