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第5回 丹下健三(1913~2005)
シリーズ 建築コラム(アーカイヴ)


日本の建築家として海外で活躍した第一人者
日本人建築家ながらも国外で活躍し、作品が認められた一人。国内でも多くの公共建築を手がけ、磯崎新、黒川紀章、谷口吉生などの世界的建築家を育てた。
広島平和記念公園


コンペに出された他の計画案は公園内のみを計画するにとどまっていたのに対し、丹下案は原爆ドームと慰霊碑および記念資料館と平和大通りと直交する軸線上に配置計画したのが高い評価を得た。
この都市軸が戦後の広島市の都市計画の骨格を成した。単なる原爆の廃墟にすぎなかった原爆ドームを反原爆のシンボルとし、のちに世界遺産に指定された。
また、この広島平和記念公園は、2006年に建築家・村野藤吾(第2回「日本橋 室町近三ビル」で登場)の世界平和記念聖堂とともに戦後建築として初めての重要文化財(建造物)に指定された。
広島平和記念公園:〒730-0811 広島市中区中島町1番2号。TEL(082)241-4004。FAX(082)542-7941。
東京カテドラル聖マリア大聖堂(1964年施工)


大規模な公共建築を数多く手がけてきた丹下の作品の中で、最高傑作の一つと言っても間違いない建築物でしょう。カトリック教会の象徴である十字型の平面構成で※シェル構造による曲線の金属製の外装が美しい。
※シェル構造とは・・・薄い曲面板からなる建築構造。曲面板構造、貝殻(シェル)構造とも呼ばれ、自在な曲面を実現するのに適した鉄筋コンクリートで造られることが多い。
(参考Wikipedia)
東京カテドラル聖マリア大聖堂(1964年施工):〒112-0014 東京都文京区関口3-16-15。TEL:03-3941-0929。FAX:03-3941-3299
代々木体育館(1964年施工)


(代々木第一体育館)(外装の床には御影石が使われている)
1964年東京オリンピックの競技場として建設された代々木体育館。第一体育館と第二体育館からなり大きな軸によってつながっており、吊構造で屋根の造形の美しさを競っている。ちなみに外部の床の御影石は当時、都内を網目状に走っていた都電を撤去した際の舗石を再利用したものです。


(代々木第二体育館)
代々木体育館(1964年施工):〒150-0041 東京都渋谷区神南2-1-1 TEL03-3468-1171 FAX03-3468-1942
丹下健三 主な作品
- ・広島平和記念資料館(1952年/広島)
- ・広島平和会館・広島平和記念公園(1955年/広島)
- ・香川県庁<現・東館>(1958年/香川)
- ・東京カテドラル聖マリア大聖堂(1964年/東京)
- ・東京オリンピック国立屋内総合競技場<代々木体育館>(1964年/東京)
- ・グランドプリンスホテル赤坂新館(1982年/東京)
- ・東京都庁舎(1990年/東京)
レポート / 工藤 浩一郎